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※視聴期限はチケット購入から30日となります。

黄金の弾丸

黄金の弾丸   91 分

活弁版

黄金の弾丸   89 分

合奏版

鉱山王の老人が「黄金の弾丸」によって射殺された。その頃、世間を騒がしていた「愛の賊」と呼ばれる怪盗が疑われたが、事件解決に乗り出した私立探偵長の猪俣は、人殺しを嫌う「愛の賊」の犯行とは思わなかった。数日後、ある富豪の家から「愛の賊」の犯行の知らせがあった。現場に駆けつけた探偵は富豪の令嬢の様子を怪しみ、探偵の友人・川波を呼んで真相究明に乗り出した。事件の鍵を握る「黄金の弾丸」の行方は、また「愛の賊」の正体とは誰なのか。

監督
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印南弘

公開
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1927年

作品クレジット
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東亜キネマ甲陽撮影所作品
公開1927年1月9日 大阪新世界 パーク劇場
オリジナル:全7巻、1976m *現存プリントは第5巻目が欠落

監督:印南弘
原作:ヘルマン・ランドン「愛の賊」
脚色:竹井諒
撮影:小野平一郎
舞台美術:島田棟助
字幕:本多春雄、後藤省三

配役
私立探偵長 猪俣賀史郎:一木突破
友人愛の賊 川波三郎:宮島健一
富豪 畑井章介:大岩栄次郎
夫人 春子:中村園枝
令孃 貞子:千種百合子
許嫁の青年 今岡和衞:島田登美郎
怪老人:月岡正美

弁士、伴奏者紹介
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活弁版
活動写真弁士:大森くみこ
関西を拠点にサイレント映画の公演、国内外映画祭等に出演し、2019年にはロサンゼルスで行われた「The Art of The Benshi」にも参加。ラジオパーソナリティー・ナレーターとしても活躍中。

楽士:天宮遥(ピアノ)
神戸出身のピアニスト、シンガーソングライター、ラジオパーソナリティー。近年はサイレント映画の伴奏を数多く手がけ、活動の幅を広げている。

合奏版
楽士:鳥飼りょう(ピアノ)
無声映画の楽士。ピアノ、打楽器を演奏。全ジャンルの映画に即興で伴奏をつけ、これまでに伴奏した作品は500以上。国内外の映画祭や劇場等での伴奏上映に多数出演している。

越川雅之(打楽器)
京都フィルハーモニー室内合奏団の打楽器奏者。2018年の神戸発掘映画祭において鳥飼りょうと『オーラックの手(芸術と手術)』を演奏し好評を博す。

解題
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東亜キネマ甲陽撮影所は、関東大震災後の一時期、東京の映画撮影所が関西に移転する中、西宮市の甲陽園にあった現代劇映画の撮影所で、周囲の西洋建築が立ち並ぶ高級住宅地や神戸の旧居留地などをロケ地にモダンな現代劇映画を製作しました。
原作者のヘルマン・ランドン(Herman Landon、1882-1960)は、当時の最先端をゆく都会派雑誌『新青年』でも紹介されたアメリカの新進探偵作家で、原作の『愛の賊』は彼の代表的な「怪人ピカルーン(Picaroon)」シリーズの一篇です。ちなみに『愛の賊』は「アルス・ポピュラー・ライブラリー」の第1巻『深紅の腕』(アルス、1924年5月刊)に収録されています。
監督の印南弘はこの『黄金の弾丸』がデビュー作です。1900年生まれ(1902年説も)なので、撮影時は弱冠26歳でした。雑誌『映画評論』1931年7月号では、当時新進と注目された稲垣浩、清水宏とともに取り上げられ、字幕翻訳家で評論家の清水俊二は「印南弘の天才的な映画的神経に全く頭を下げた」と評しています。東亜キネマの後は帝キネや新興キネマで作品を発表しましたが、病を得て1938年に死亡したということです。
この映画の見所は、視線を重視した編集や、明暗に富んだ表現主義的な照明、アートタイトルや字幕のユニークな使用法などに加え、染色プリントならではの表現手法も味わうことができ、サイレント映画の豊かな表現世界を堪能できます。また、現代活劇に必須の追っかけシーンは、自動車やオートバイ、さらには騎馬警官も加わる大がかり且つ長大なもので、当時の観客の嗜好を伺うことができるでしょう。
1980年代前半に神戸映画資料館館長の安井喜雄がコレクターから購入したこのフィルムは、映画生誕100年を迎えた1995年には<超モダンな「東亜キネマ」の現代劇>として新聞紙上(『産経新聞』1995年7月27日夕刊)で話題となりました。2003年には東京国立近代美術館フィルムセンター(現 国立映画アーカイブ)で複製され「発掘された映画たち2003」で上映、また神戸映画資料館では2007年6月30日と7月1日にお披露目されました。
貴重な歴史映像としても、追っかけ場面などで、神戸の三宮と元町の間にある海岸沿いの異人館街などが克明に記録されており、当時の町並みや景色を知る上で、その資料的価値は見逃せません。
佐崎順昭(日本映画史研究)

文化芸術活動の継続支援事業
「神戸発掘映画祭2020+」オンライン特別配信
主催:神戸映像アーカイブ実行委員会
現版提供:神戸映画資料館
協力:神戸芸術工科大学


全 180 分